病は自分の力で治せることを知ろう①自灸自足のすすめ

病気はお医者さんに検査してもらって、お薬をのんで治すものって思っていませんか?
いえいえ、違いますよ。
自分で治せるものなのです。
何かあるとすぐ薬や湿布、どこが原因なのかわからないと不安、そんなことが思い当たる方は要注意。
原因は何か?脳か、神経か筋肉かどこかの内臓か?はたまた自律神経か?
どこにあるかなんて、本当の真実は誰にもわかりません。
お医者さんによっても見立てが違うってことよくあるでしょう。
人間の身体は膨大な数の細胞の連なり、そして脳や内臓、筋肉など様々な器官の連携、さらに腸内細菌などの微生物とも関わりあって、人としての生命があるのです。
そして医学が進歩したといっても、まだまだ人間の仕組みは解明できていないものばかり。
だから原因を絞ることなんてできず、あちこち関連がありすぎてわからないのです。
しいて原因をあげるとしたら、そのほとんどはこれまで生きてきた生活の中にあるといえます。
この世に産まれてから今現在まで、薬とか飲食とか、もう色々身体に負荷かけすぎて、「色々こんがらがって巡りが悪くなってますよ」って感じです。
例えば風邪のとき。
身体は咳や鼻水、熱、下痢などといった症状を発します。
多くの方はこれらの症状は身体にとってマイナスだと感じて、お薬に頼りたくなります。
風邪をひいたらすぐ薬という生活を繰り返していると、せっかく身体は熱とか咳を出して治そうとしているのに、無理やり薬で押さえつけられますから、自分で治す機能が衰えていきます。
だれでも周りの人からガミガミ指示され続けて、やりたいこともできなければ嫌になって心がふさいでしまうでしょう。
身体のなかではそれと同じようなことが起きるのです。
身体は熱を出したいのに薬にコントロールされて止められてしまう、本来の自分のやりたいことと違うわけです。
そうやって様々な症状を薬でなくしていくと、そのかわりに身体のなかで気づかぬうちに何かしらの無理がかかり滞りができてくるものです。
ただ身体は黙ってそれを見過ごすわけにはいきませんから、いつかは積もり積もった滞りを何とかしたいため、どこか痛みを出したりとか、目眩させてみたりとか、食欲を無くしたりとか、イライラさせてみたりとか、あらゆる手段で「そんな生き方してるとヤバいよ」って訴えかけてきます。
それでもまだ同じことを繰り返していると、いよいよ身体は耐えきれなくなって、気づいたときには後の祭りなんてことにもなりかねません。
では病を治すために一番信頼できるのは何でしょうか?
それは自分自身です。
人の設計図はそのほとんどが解明されていないものばかり、だから修理も自然にお任せすればいいのです。
治る過程においては、身体のどこが悪いかなんて探る必要もないのです。
すでに自身のなかにある自然治癒の力が、治し方も知っているのですから。
身体は痛みや痺れといったサインを送ってくれているのですから、ちゃんとそれを受け止めて、今までの生き方を省みて、自らの生活習慣を整え、自身の治癒力を信じて待てば、きっと良くなっていきます。
私は鍼灸師として、皆さんのもっているこの治癒力を手助けするのみです。
身体のサインを読み取って、ふさがれている気を解放し、治しの道を通す。
あとは勝手にご自身の力で回復しようとしてくれます。
長年溜め込んだ毒をどんどんはきだし、世の中もっと元気になっていただきたいと願うばかりです。
もう意味のないお薬や消化しきれないくらい飲み食いする生活で毒を貯めこむのはやめにしましょう。
色々と手放していけばいく程、楽になっていきます。
今すぐ止められない事情があるかもしれませんが、止めていけることを知れば、いずれそうなっていくものです。
毒を吐き出し、気が巡っていくと、どんな変化にも対応できる身体に戻っていきます。
それが本来ヒトとしてあるべき姿です。
諸行無常といわれますように、世の中変わることが常でありますから、身体も滞ることなく巡らせていくものです。
昨今のウイルスの変容にも、当たり前のように恐れない、変化に対応ができる身体であるべきです。
自分自身の力を信じていきましょう。
そして、これまでの生活を省みながら、どうぞ毎日ご自身の身体に手をかけてください。
身体の内側では常に良くなろうと頑張ってくれてますので、感謝の気持ちをこめて毎日自分自身にケアしてあげましょう。
そうすることで身体は喜び、巡りが良くなっていきます。
そこで、ご自宅でお灸することをおすすめします。
お灸は大昔から伝わる知恵の詰まった医療。
ヨモギの葉から生成されたもぐさに、そこに火の力が加わることで、身体の奥深くある毒を浮きだし、流し、元気を与えてくれます。
こんないいものがあるのに、使わないのはもったいない。
お灸は今現在病気がある、症状で悩んでいる方にはもちろんのこと、健康維持や予防のため、さらにはスポーツや仕事の能力アップ、美容にも役に立ってくれます
お灸がもっと身近に、家庭にお灸のある生活が浸透すれば、病で悩む人はどんどん減っていき、この街はもっと元気になる、そのくらい力があるものです。
お灸は効果的な生きたツボに、毎日コツコツすえることで、じわりじわりと効いてきます。
生きたツボとは、身体の奥深くまで気が届く、とても効果のあるツボのことです。
時折、ご老人の背中にお灸による大きな火傷の痕を見かけますが、ひと昔前は「灸をおろしてもらった」といって、鍼灸院で灸治療を受け、印をつけてもらったところに自宅で熱いお灸をすえたものです。
この灸をおろすとは、ただツボに印をつけるものではありません。
鍼灸治療によって、生きたツボを通すことです。
人の身体は不思議なもので、身体の訴えてくる反応通りに治療していくと、身体はすでに治しの道を知っているかのように勝手に気の流れる道が開けて、そこがツボという新たな点が体表にあらわれます。
当院では治療でツボへの道を通し、お灸をすえるための生きたツボをお取りいたします。
今ではご家庭でも簡単にでき、程よい温かさで、火傷にならないお灸がございます↓


熱くなくても、生きたツボに火が灯っていれば、十分効果があります。
2、3箇所のツボに、5分あれば全て事足りますので、ぜひ生活にこのお灸を取り入れてみてください。
但し、こういうものは直ぐに飽きてはいけません。
長年溜め込んだものを出していくのですから、一朝一夕で終わるものではありません。
そして人によっては身体が変化する過程において、一時的に様々な症状を出してくるかもしれません。
ここで諦めないよう、そうやって症状をこなして毒をどんどん出していけば、必ず病は遠ざかっていきます。
ご自身の身体を見つめ直すよい機会と思い、じっくり腰をすえてコツコツやっていきましょう。
1ヶ月、3ヶ月、半年と、毎日続けていくことで着実に力となります。
元気になっている自分をイメージし、そんな自分にワクワクしながら、お灸をすえましょう。
自らに灸をすえれば、自ずと満ち足り、自然と元気になっていきます。
全ては自ずから、自ずの力を信じて。
そうすれば自然治癒力は必ず力強く動き出してくれます。
それが「自灸自足」です。
ぜひ、お灸のある暮らしを。