コロナウイルスから身を守るためには②

ウイルスが体内に入らないよう感染源に触れないことも大切ですが、侵入したときに体内の防衛網を整えておかなくてはなりません。

『免疫力をつける』

コロナウイルスが蔓延する中、私はこれが一番大事だと感じます。

免疫とはウイルスや細菌などの侵入に対して、病気にならないようにする抵抗力です。

私たちの身の回りには様々なウイルスや病原菌が存在し、体内に入ってきているのですが、免疫システムがあるお陰で発病せずに、また発病しても回復することができます。

免疫力というと漠然としていて、基準となる数値があるわけではありません。

ただ、普段から肩がこる、頭痛がする、疲れやすい、肌が荒れる、喘息や糖尿病、心臓病などの疾患をもっている、等々、体調不良を感じている方は、それは免疫力が低下しているサインです。

通常の風邪やインフルエンザでも、症状が出る人、出ない人がおり、また直ぐ回復できる人、回復まで時間のかかる人、重症化してしまう人と差があります。

この差は生まれ持った個人の特性もあるかもしれませんが、一番は日ごろの健康状態が強く関わってきます。

コロナウイルスでも明らかに何らかの疾患がある人のほうが重症化しやすいというデータがでています。

また重症化のリスク要因として、喫煙、飲酒、肥満等もあげられていますので、いかに普段の生活習慣が大事かが解かると思います。

感染しない体づくり、そして感染したとしても回復できる力をつけていきましょう。

免疫力が低下する要因

体内の免疫システムは免疫細胞である白血球が担っています。

白血球は主に顆粒球、マクロファージ、樹状細胞、リンパ球(T 細胞と B 細胞)と、沢山の種類があります。

これら免疫細胞は自律神経系(交感神経・副交感神経)やホルモンのバランス等により、正常に機能するようになっています。

免疫システムは様々な要因により、機能が低下したり、逆に過剰に働き、自身の細胞を攻撃してしまうこともあります。

次に免疫システムを低下させる要因をあげていきます。

飲食の不摂生

近年の日本は、食べ物が豊富にあり、飢餓となる人はほとんどありません。

その逆に食べ過ぎ、飲み過ぎによる生活習慣病が増えています。

またカロリーは摂取しても、栄養バランスが悪く、栄養失調状態になっている人も多いです。

飲食の不摂生は腸内環境を悪化させ、血液の質を落とし、自律神経系のアンバランスとなり、免疫機能の異常をきたします。

睡眠不足

睡眠不足や睡眠の質の低下、昼夜逆転の生活はホルモンや自律神経系のバランスがみだれ、免疫システムが正常に働かなくなります。

睡眠時間の不足によって、通常の風邪のウイルスに対する感染のし易さは3倍も上がるという研究結果もあります。

ストレス

ストレスと自律神経系は大いに関係があります。

自律神経系は免疫システムも司っており、交感神経が優位になると顆粒球が増え、副交感神経が優位になるとリンパ球が増えます。

ストレスが過剰になると交感神経が優位になり、これが続くと免疫機能に異常をきたします。

冷え

冷えは血液やリンパの流れの滞りにより起こります。

直接冷気をあたることによる冷えや、食生活の不摂生、ストレス等による自律神経のバランスの乱れ等、冷える要因は様々です。

体温が1℃下がると免疫力が3割も低下するともいわれています。

免疫力を上げるためには

免疫を上げるために、何か特別なサプリメントや食べ物は必要ありません。

普段の生活を見直すことから始めましょう。

食生活を見直していきましょう。

食べすぎ、飲み過ぎは内臓に負担がかかり、腸内環境や血流、血液の質が悪化し、免疫が低下します。

まずは食べすぎ、飲み過ぎに注意しましょう。

特に甘いもの、脂っこいもの、アルコールは控えめにしましょう。

タバコも呼吸器機能がおとろえ、感染リスクが増大しますので、止めることをおすすめします。

詳しい食生活については以下のページを参考にしてください。

免疫を上げるためには、腸内環境を整え、そして体を酸化させないことです。

飲食やストレス、老化によって、腸内環境の低下や体の酸化が進んでいきます。

以下にあげる食材は腸内環境や抗酸化作用の強い食材です。

意識的に毎日の食事に取り入れてみましょう。

・山芋、長芋

ネバネバ成分が粘膜を保護し、消化吸収を助け、胃腸を整えます。

また難消化性でんぷん(レジスタントスターチ)が大腸の善玉菌の餌になり、腸内環境を改善してくれます。

長芋を使った免疫力をあげるレシピはこちら↓

・亜麻仁油、えごま油などのオメガ3系のオイル

亜麻仁油やえごま油に含まれるオメガ3脂肪酸は免疫機能を正常化に役立ちます。

・味噌や納豆などの発酵食品

発酵食品は大腸の善玉菌を増やします。

善玉菌が増えると、腸内の免疫細胞の活性化にもつながります。

・小豆、黒豆、金時豆

これらの豆類は抗酸化物質であるポリフェノールや難消化性でんぷんが豊富です。

ただし調理の際、砂糖をいれて甘くしないように。

甘いものの摂りすぎは体の酸化を早めます。

・人参、レンコン、カボチャ、ブロッコリー、小松菜、スプラウト、ニラ、ネギなど

ビタミンC、ビタミンE、ベータカロテンの豊富な野菜は、強い抗酸化力が期待できます。

毎食しっかりお野菜を摂りましょう。

早寝早起きをしましょう。

寝不足や夜遅くまで起きている、熟睡できないといった睡眠障害は、ホルモンバランスや自律神経が乱れ、免疫力が低下します。

睡眠中は成長ホルモンが分泌され、細胞が修復し、疲労回復を促し、免疫力が向上します。

また睡眠の質を高めるため、寝る前はスマホやパソコンは控え、ベッドのそばには電磁波の影響をさけるためスマホや家電製品を置かないようにしましょう。

電磁波の影響についてはこちら↓

適度に体を動かしましょう

緊急事態宣言が発令されて、外出制限で家に引きこもりがち、在宅ワークでずっとパソコン作業の方も多いことと思います。

運動不足で、さらに家に籠り、TVはコロナのニュースばかりで気分も落ち込むと、余計に免疫力が低下します。

外に出てウォーキングをして、体を動かしましょう。

適度な運動は滞った血流を改善し、ストレス発散にもなります。

そして太陽光により体内でビタミンDを生成することができます。

ビタミンDは骨の形成や免疫機能の調整に欠かせない成分です。

直射日光が気になる方は、日陰でも効果があります。

また太陽の光には皮膚表面や衣服に付いたウイルスを不活性化するという研究結果も出ています。

ぜひ家に籠りっきりにならずに、外で体を動かしましょう。

鼻呼吸を意識しましょう

いつもポカンと口を開けている人は要注意です。

口呼吸をすると、鼻呼吸に比べて、ウイルスや細菌が体内に侵入しやすくなります。

鼻呼吸は鼻毛や粘膜がフィルターの役目を果たし、適度な湿気があるので、外敵から身を守ってくれます。

いつも口を開けていたり、口が乾燥したり、よくいびきをかくような人は口呼吸をしている可能性が高いので、意識して鼻呼吸に変えていきましょう。

まとめ

今回のコロナウイルスにより、あっという間に人々の生活は一変してしまいました。

世界各国で人々の流れは遮断され、経済活動が停止、医療は混乱をきたしています。

日本でも感染者が増加傾向にあり、医療現場が切迫した状況にあります。

この状態をつくりだした要因は、今回のコロナウイルスが未知な存在で、爆発的に感染が広がったことでありますが、日頃から人々が医療を頼りすぎていることもあるのではないでしょうか。

近年の日本における生活習慣病患者数は増加の一途にあり、健康を損ねている人がとても多く、普段から病院は患者さんで溢れかえっています。

生活習慣病の代表疾患である糖尿病の患者数は1000万人を上回り、予備軍も加えると2000万人を超えています。

もっと人々が健康的で、日頃から医療に余裕があれば、もう少しこの混乱は抑えられたかもしれません。

これからは、より自分で健康を維持することが大切となってくるでしょう。

健全な社会は個々の健康から成り立っています。

これをきっかけに、今後は人々の健康意識が高まり、病気で苦しむ人が少なくなっていくことを願います。

コロナウイルスによる世界の情勢は、感染のピークが過ぎたら少しずつ封鎖を解除していく方向に向かうと思います。

ワクチンの開発にはまだ年月がかかるといわれており、完全に感染がなくなるのはかなり先になりそうです。

しばらくは社会は感染を抑えつつウイルスとの共生となるかと思います。

そのために、感染しない、感染させないように用心しながら、健康を維持して免疫力をつけておきましょう。

当院で行うはり灸や整体施術は、痛みなどの苦痛を取り除くだけでなく、自律神経の安定や、内臓の調整や睡眠の質の改善といった基本的な健康の維持に対してもお役に立つことができます。

当院は感染防止に細心の注意を払いながら、通常通り営業を続けていきます。

体調がすぐれない方、辛い症状でお悩みの方は、当院までご相談ください。